サハラマラソン-間寛平サポート記9「ランナーに粋なプレゼントが」

2008年4月 8日
4月4日(金):レース6日目。オーバーナイトをクリアしたランナー達、十分な休養を取ってレースに臨む。このタイミングで設定されたステージ距離が42.195Km。憎い設定だ。寛平さん、アルファ米の食べ方を失敗して投棄、更に口に合わないことを理由にカレーラーメン二個とパスタまで棄ててしまった。合計4食を捨てたことになる。こんなサバイバルレースでの食事投棄は自殺行為。この42kmクリアに不安が広がる。 正午の気温は46度。微風、暑さは相変わらずきつい。朝、ワカメご飯ほか2食分を食べてレースに臨んだ。炭水化物のエネルギーはあまり持続力がないため、どれだけ持つか?あとはエネルギーが切れた後の走りがうまくゆくのか?水・塩の補給をしてくれるか?不安要素は数え始めたらきりがない。暑さの中、後半をゆくランナー達の足取りは一様に重く、暑さがこたえているように見える。 だが… こんな中で寛平さんに奇跡的な走りを見せ付けられる。CP1~3までの31kmをキロ10~11分のペースでカバーしてきたのだ。しかもテンションは上がりっぱなし。強靱な精神力とスタミナをまのあたりにすることになった。寛平ランニングの真骨頂!結局、17時21分ゴール。思いの外元気。さすがである。これで明日のウィニングランの17.5kmを残すのみとなった。 最終日前夜、事務局はランナーに粋なプレゼントを用意していた。なんと、パリからオペラのステージを呼んでいたのである。ランナーテントを円形に配置し、その中央にステージを組んだ本格的なもの。満天の星空の下、ランナー達の六日間におよぶ砂漠との闘いを癒すにはこれ以上ない贅沢な趣向、いかにもフランス人らしい粋な演出である。またいつか、見渡す限りの星空、時折掠める流れ星を再びみることができるだろうか? 夕方、片道2kmほどのジョギングを楽しむ。小高い丘に登り、見下ろすベースキャンプの佇まいはサハラマラソンでしか見ることができない砂漠の夕景に溶け込んだ美しい光景だった。広大な砂漠に一陣の砂煙を巻き上げながら走るジープの姿が網膜に焼き付いた。  

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