アースマラソンサポート記 北米横断13日目

2009年3月27日
 7:13、R95号線からの出発。

 今朝、寛平さんは「今日はムチャムチャ時間かけて走ろおもうてんねん。州が変わんねんやろ?いろいろ話したろと思うてな。旅なんやから景色とかあるやん。そんなん話ながら10時間くらいかけて・・」と言ってスタートした。昨日、R95では正面からの強風と風の冷たさに泣かされ、強風の中での体力の消耗を経験し、いずれ疲労などで50キロに時間をかけざるを得ない状況に備えてシミュレーションをしておきたかった部分もあっての発言のような気がした。やはり達人だなぁ、と感心してしまう。

 コースは延々と起伏を繰り返し、風はどんどん強さを増している。11時、Veterans Memorial HW を登りきり、CAとNVの州境に到着!「Welcome NEVADA」の文字が眩しいが、冷たい風で手がかじかんで痛そうだ。弱音を吐かない寛平さんが「寒っいなぁ、何か着るもんない?」とのことで、ダウンジャケットを渡す。ここからしばらくは下り坂。やがてR163とのクロスし、やっと右折する。そこから風向きが横風に変わった。ともかく起伏と風、低温との闘いになっているが、寛平さんは黙々とそれと対峙している。

 12時前、昼食ポイントに到着。ここまで27キロ。いままでのランニングでは進行速度や所要時間を気にしながらの走りばかりだったが、アースにおいては、基本の「気持ち良く走ること」に専念してもらっているし、寛平さんもアースを大きな括りで捉えている。

 昼食はお粥二杯、ホウレン草、玉子入りのチキンラーメン、グレープフルーツ、洋梨、牛乳、カロリーメイト。ウルトラには消化・吸収の良いお粥がいい。これは無垢な食糧だから味噌汁にも佃煮にもなんにでも合う。炊き方をちょっと工夫すれば硬め、軟らかめ、サラサラと縦横無尽である。

 顔に少しむくみがでている。水分、塩分が不足するとこんな感じになってくるから、もっと水分を摂って欲しいのだが、頑固だから症状が出てくるまで云うことを聞かない。これからはこの辺りが寛平さんとのバトルになるのか?まあ、根気よく、ひとつずつ進めてゆこう(と、自分を納得させた)。相変わらず食欲は旺盛なので安心しているが、食事だけでは摂れない栄養をサプリメントで補充。最近はバランスの良いものがあり、栄養をマルチに取れるものと鉄分、カルシウム、マグネシウムあたりを重点的に食べさせてゆきたい。

 NEVADAに入ると景色が変わった。いままでの原野砂漠ではなく、山岳砂漠になった。長い登りを上がり切ったらLake Mead National Recreation Areaと呼ばれる地域に入る。コロラド川に沿って指定された保養エリアである。コロラド川の上流には有名なHoover Damがある。その先はGrand Canyon峡谷だ。また、長い11km続く下り坂。眼下には今日のゴールLaughlinの町が見えてきた。1966年、Laughlinがラスベガスを真似てつくったカジノの町。強風、低温、起伏にもまったくめげずに過去最長の52kmを走り切った!ゴールした寛平さん、さすがに疲労が顔にでている。ともかく、ご飯と睡眠だ。

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