アースマラソンサポート記 北米横断36日目

2009年4月22日
 半休明けの今日はAlamosaまでの56km。

 6:50、気温3℃の中を「ほなぼちぼちゆくわ」いつもの飄々とした感じで走り出す。早朝のR160号線は車が少なく、サッサッサッサッという寛平さんの足音だけが響く。2泊以上連泊するモーテルからの出発はサポートスタッフにとっては持ち出し荷物が少なくて有難い!撮影のプリウス号とサポートバンは1〜2マイル間隔で交互に寛平さんを見送り・給水・撮影するシステムで動いている。

 寛平さんは朝、モーテルのコンチネンタルか、われわれが準備したサンドイッチや牛乳を食べてからスタートする。勿論、スタート前には体重・血圧・心拍数を測り、その朝の体調チェックは毎朝だ。スタート2時間後の10マイル(16km)地点、身体がほぐれて動きやすくなる頃に朝食を食べる。このタイミングでの食事はお粥が多いが、今朝は本人のリクエストでチキンラーメンにした。池田君が手早く湯をわかし、柔らかめにしたチキンラーメンを準備する。

 R160の両側は広大な牧場が続いていて、馬や牛がのどかに草を食んでいる。牧畜もこのくらい広大で自由に動き回ることができればのびやかに育つだろう。このあたりに来るとSangre De Cristo(4764m)やBlanca Peak(4781m)を中心としたロッキーの山並みが左手から右手にかけてほぼ180°のパノラマが眼前に展開してくる。
 寛平「なんじゃこれは!え〜!」
 坂本「これもロッキーなんですよ」
 寛平「オレ、これ行くん??シャレならんでぇ」
 坂本「真ん中の一番低いとこを通って越えるような道になってます(笑)」 それにしても言葉を失うくらいスッキリくっきりした風景で、心が洗われるような気がする。

 今日も寛平さんを自転車で伴走する。ブリヂストンから頂いた電動自転車だから、私はちっとも辛くなく、痛いのはお尻だけ。高知県宿毛市で生まれた寛平さんの生い立ちや中学や高校生のころの転機になった出来事、吉本に入ったいきさつ、東京に出てからのことなど、20年近くお付き合いさせていただいている私がはじめて聞く寛平さんの人生の転換点となった話を雄弁に語ってくれた。

 その話の中で共感したことは人生には転換点となる出来事がいくつかあって、それらの紡がれ方と転換点をもたらしてくれた人への感謝の気持ちを持つ大切さ、というところは本当にその通りだなぁ、と腑に落ちてしまったものである。お互いに年を重ね、残りの時間をどう過ごすか?アースマラソンという稀有な計画の最中でもこんな話を交わすことができる状況に、二人で「感謝」したものである。

 今クール(5勤1休)から1日半休を入れてジャーニーランニングにアクセントをつけ、スタッフへの憩いを設けよう、という寛平さんのグッドアイデアもこれから楽しみになってくる。

アーカイブ