2010年4月アーカイブ

イランの続き3

2010年4月 1日
 国民番組翌日のコース沿いはイランの家族、夫婦、仲間たちが寛平さんを待ち受け応援、激励、記念写真のオンパレード。その応援が寛平さんの疲れや孤独になりがちの気持ちを高揚させているようだ。

 アメリカ、チェコとサポートや応援をしていてちょっと不思議なことがあった、それは雨のこと。今回も三日間の帯同中、スタート地点に向かう朝からかなりの降雨があったのだが移動している間に次第に上がり始めスタート地点に着く頃には雨が上がっているのだ。また、走り始めに降っていてもいつのまにか上がってしまう。当然巡り合わせ、ということもあるだろうが、天もまたアースに味方をしている、と言えなくもない。
 寛平さん「きっと神さんがず~っと走らしてくれてんねん、神さんがやでぇ・・」。

 アメリカでもチェコに行ったときも私はいつも自転車でしか伴走をしてこなかった。当然、本当は一緒に走りたかった。今回、寛平さんから「一緒に走らへん?ゆっくりいこ」と誘われた。また次にいつ一緒に走れるかわからないということもあったから、たった5kmだったけどあれこれを話ながら走った。本当に久しぶりで、おそらく10数年ぶりかもしれなかった。

 日本にいてランナーの表現環境をつくるためにあれこれと駈けずりまわる日々を過ごす私に対して云った言葉は「みんな吐き出すんや、な~んもかもやで。したらスッキリするやん。」アースに入ってからの寛平さんには走ること、食べること、眠ること、といった超シンプルな生活しかない。さまざまな国、さまざまな人々との触れ合いを繰り返すうちに人間同士が繰り広げるせめぎあいや軋轢、葛藤、妬み、羨望といったふつうの社会生活がもたらす人間社会が生み出す灰汁みたいなものがなんと些細なことなのか?と感じるようになったという。つまり、圧倒的な地球大地を前にすれば人間の存在なんてちっぽけなもの、という心境に至ったらしい。なんと羨ましいことか!

 さりげなく再会し、さり気なく別れたイラン。寛平さんの内面を思えば病を抱えた今は必ずしも平穏な気持ちばかりではあるまい。こんど会うのはいつになるか?ウズベクかカザフか中国に入ってからか?まだわからない。でも、またさり気なく会いにゆき、心の会話を交わしに行きたいと思う。 20100321イランの続き3

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